ヤマサキ×moms|国産ベビーベッドレンタルと企業版ふるさと納税でつなぐ多胎支援の輪
創業約70年、国内唯一の「純国産」ベビーベッド製造を手がける 株式会社ヤマサキ。
赤ちゃんの安心・安全と真摯に向き合い続けてきた同社は、多胎育児支援アプリ「moms」を運営する 株式会社pono と、SNS運用支援などのエンゲージメントマーケティングを通じて、少しずつ関係性を育んできました。
日々のやり取りや発信を重ねる中で、価値観への共感が深まり、今回、企業版ふるさと納税という形でmomsの取り組みを応援していただきました。 その背景には、長年赤ちゃんと向き合い続けてきた企業だからこそ抱いてきた、静かで力強い想いがあります。
なぜ企業版ふるさと納税という形を選び、momsの取り組みに共感したのか。 本インタビューでは、エンゲージメントマーケティングを通じた関係性の中で生まれた多胎家庭への想いや、これまでの事業の歩みについて、山崎吉典社長に伺いました。
突然の帰郷、そして家業の継承
── まずは、山崎社長が家業に戻られた経緯についてお聞かせください。最初から継ぐご予定だったのでしょうか。
私たちの世代は、親や周囲から「長男は家業を継ぐものだ」と刷り込まれているようなところがありまして、いずれは戻るつもりではいました。 大学卒業後、大阪の企業に就職して東京勤務をしていたのですが、社会人になって1年半ほど経った頃、どうやら父親の会社が大変らしいと伯父さんから突然電話がありました。会社の状況が芳しくないというのは薄々感じてはいたのですが、驚きましたね。
その電話で「お前に跡を継ぐ意思はあるのか」と聞かれ、「もちろんそのつもりです」と答えたら、「それならすぐに辞めて帰ってきて」と言われまして。 本来なら5年くらいは外で修行してから戻るイメージを持っていたのですが、何もわからぬまま、予想以上に早く家業に戻ることになりました。もう30年近く前のことになりますね。

── まさに青天の霹靂ですね。そこからどのように会社を見てこられたのでしょうか。
創業者である祖父や父から「うちはこういう想いでものづくりをしている」といった理念めいた話は一切聞いたことがないんです。 ただ、歴史を紐解くと、もともとは木製の農機具を作っていたそうです。そこから第二次ベビーブームで子供が増え、ベビーベッドの需要が高まった時代に、祖父が「ベビーベッドは使う期間が短いからレンタルに向いているのではないか」と目をつけ、製造だけでなくレンタル事業向けの供給へと舵を切ったようです。 時代の変化に合わせて、生き残りをかけて業態転換したのだと思います。
「純国産」へのこだわりと現場との向き合い方
── 現在、御社のベビーベッドは「国産」にこだわられています。ここにはどのような強みがあるのでしょうか。
私が戻ってきた頃はまだ国内に10社ほどメーカーがありましたが、今では自社工場を持っているのはうちを含めて2社ほどしか残っていません。 他社との差別化を考えた時、多くのメーカーが海外で作った部品を輸入し、日本で検品とシール貼りだけを行って「日本製」として販売している実情がありました。
もちろんそれは違法ではありませんが、うちは材料の加工から全ての工程を自社工場で完結させています。 これこそが他社との決定的な違いであり、継続していかなければならない価値だと考えています。

── 現場の職人さんたちとは、どのように連携されているのですか?
「職人」というと頑固な年配の方をイメージされるかもしれませんが、うちは分業制のライン生産を行っており、現場は30代・40代が中心です。 私は製造に関しては素人でノウハウを持っていません。だからこそ、「ああしろ、こうしろ」と上から指示するのではなく、現場の彼らが主体的に動けるように意識しています。「社長の指示通りに作るのが仕事だと思わないでくれ、分からないことはどんどん提案してくれ」と伝えていますね。
多胎支援「moms」への共感と支援
── 今回、企業版ふるさと納税を通じて、多胎育児支援アプリ「moms」をご支援いただきました。きっかけは何だったのでしょうか。
正直なところ、最初は企業版ふるさと納税の制度自体を知りませんでしたし、普段ならこういった営業メールは無視してしまうんです。 でも、今回の件に関しては最初から何か引っかかるものがありました。私自身、子供が2人いますが、1人育てるだけでも本当に大変でした。それが双子や三つ子となると、その苦労は計り知れません。
── ご自身の育児経験からも共感される部分があったのですね。
そうですね。多胎世帯を支援するという活動自体が素晴らしいですし、momsの皆さんの熱量に触れて、「この会社と組むことで、うちにとっても相手にとってもプラスになる何かが生まれるんじゃないか」と直感しました。 私たちのような地方の中小企業は、自前だけでやっていくには限界があります。皆さんのような優秀な方々と協業し、専門的な知見をお借りしながら一緒にやっていきたいと、即答でお引き受けしました。
これからの展望とメッセージ
── 今後、momsと共にどのような展開を描いていますか?
ベビー用品、特にベビーベッドは使用期間が短いので、絶対に「レンタル」が向いています。このレンタルの認知をもっと広げていきたいですね。 また、地元・岡山での認知度をもっと上げたいという課題もあります。実際、地元で生まれた赤ちゃんの10%ほどしかうちのサービスを使っていただけていません。これを15%、20%に引き上げていきたい。momsさんと連携することで、レンタル文化の普及や地域での認知拡大に取り組んでいければと考えています。
── 最後に、日々奮闘されている多胎家庭のパパ・ママへメッセージをお願いします。
偉そうなことは言えませんが、1人ずつ育てるだけでも大変なことを、同時に2人、3人と育てられていることには、本当に尊敬しかありません。心から応援していますし、頑張ってほしいなと思います。

